消費者独占型企業の参入障壁を確認する方法

永久保有を前提とした消費者独占型企業を探していて、いくつか強い企業が見つかります。すると「果たしてこの銘柄は本当に消費者独占型企業なのだろうか」という疑問がわきます。

消費者独占型企業の「フランチャイズ」や「堀」とも言われる、参入障壁があるかどうか確認する方法です。

参入障壁とは

消費者独占型企業は、その名の通り消費者を独占する企業です。他にも企業があるのにもかかわらず、消費者を掴んで離さない独占力が、その企業にはあるのです。

その独占力は参入障壁にあります。新たにその事業を後発の企業が追いかけても、同じようには利益を上げられないいくつかの理由があるのです。

その理由には継続して使わざるを得ないとか、事実上その企業しか選択できないとか、あまりにも安いだとか色々ありますが、結局のところ消費者がその消費者独占型企業を選んでしまうというのが、堀で守られた参入障壁になります。

戦わずして勝つ参入障壁

前回の高ROE投資はなぜ報われないかに書きましたが、株主資本利益率が高い事業は新規参入者にとって魅力的なのです。効率のよい投資になることが予想されるので、その事業を始めようとする人が殺到します。

そのため高いROEを維持することは困難になり、強い企業もいつしか普通の企業になってしますのです。

ところが参入障壁を持つ消費者独占型企業は、新規参入者によって起こされる競争がありません。そのためいつまでたっても高いROEを維持できる、強い企業であり続けられるのです。

消費者独占型企業はROEが高い

ということで消費者独占型企業に限っては、例外的に高いROEを維持できるのです。ここにヒントが見出せます。

逆に考えると、競争が激しいはずの高ROE事業にもかかわらず、何年にもわたって他より秀でたROEをあげ続けている企業は、何らかの優位性を持っているといえます。

そこで消費者独占型企業と思われる企業が見つかったら、過去のROEをさかのぼって調べてみて、安定して高いROEをあげ続けているか確認してみましょう。過去の期間は長ければ長いほうがいいです。2~3年じゃ意味がないので、10年前まで見てみましょう。

MSNマネーが便利

過去のROEを調べるのは、損益計算書と貸借対照表を使うのがもっとも基本的ですが、もちろんそんなことは面倒なので願い下げです。ネットで一度に見られると便利なのですが、ROEをさかのぼってみられるサイトは探しても全然見つかりません。過去のROEを見たい人はきっと少ないんでしょうね。

そこでやっぱりファンダメンタルズといえばMSNマネーが優れているという結論になります。MSNマネーで過去のROEを調べる方法を説明していきます。知らないとどこで出すかわかりにくいです。

まずは地味なMSNマネー(別ウインドウで表示)のページにいきます。今回は米国のコカコーラを調べてみたいと思いますので、左の赤丸のところへコカコーラのティッカーの「ko」を、右の赤丸のプルダウンは米国を選択して検索をクリックします。

MSNマネー 

「ko」を含む検索結果が下のほうに出ますので、コカコーラの社名をクリックします。

コカコーラの検索結果をクリック

コカコーラの企業情報のページに移動します。

財務分析をクリック左のメニュー欄にある、銘柄分析のすぐ下にある、財務分析という項目をクリックします。

なお、もちろん米国株以外の日本企業でも同じように使えます。

過去10年間の売り上げおよび利益のグラフが出てきますので、左上の投資効率の項目をクリックします。

投資効率をクリック

すると以下のように、過去10年間のグラフが出てきます。具体的な数字は掴みにくいものの、過去のROEの推移を視覚的なイメージで掴むことができます。

コカコーラ社の過去10年間のROE推移

消費者独占型企業は

上のコカコーラのように、消費者独占型企業はROEが高い推移で安定しています。99,00年はベルギー工場で発生した製品汚染事故の影響です。ブランドイメージは傷つきましたが、それでもROEは20%を上回っています。その後は何もなかったかのように、再び高いROEを継続しています。

いっぽう、普通の企業はここまで高いROEを上げ続けることはできません。下はヤフーです。

米国ヤフー社10年間のROE

ALCOAのROEです。

アルコア社の10年間のROE

もうひとつ、消費者独占型企業のNIKEです。

ナイキの10年間のROE

違いは明らかですね。消費者独占型企業は高いところで安定しているのに対し、普通の企業は景気や経営戦略で大きく揺れ動いています。

注意点

この方法で、確実に消費者独占型企業と断定できるわけではありません。未来も永続的に繁栄できる保証はないのです。ただ、過去10年間はそれでも新規参入業者に脅(おびや)かされることもなく、高いROEをあげ続けられたのには何らかの理由があるのです。

少なくとも、「これからは老人が増えるから医療関係がテーマだ」とか、「バイオが最先端だ」なんていう希望的観測よりは確実性が高いといえます。過去の延長で見るのは、グレアムの教えでもありますしね。

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