第4章 一般的なポートフォリオ戦略-保守的投資家

投資家の期待できる収益率は、その人がどれだけのリスクをとる覚悟があるかに比例するという認識があるが、グレアムの認識は、期待できる収益率は投資家が自発的に投資のためにどれだけの知的努力を注げるかにかかっているはずだということです。

大きな可能性のある『割安銘柄』を買う方が、かえって真のリスクは低いものである、という深い言葉で始まる賢明なる投資家第4章です。

債券と株式の投資比率を決めるときの基本的な問題

何度もしつこいぐらいに言っている、株式の債券の割合は25~75%にすべきで、基本的には50:50にすべきという平凡なやり方は、言うは易し行うは難しです。

なぜならそうしたやり方は、強気相場や弱気相場の行きすぎを生み出している、人間の本質に反しているからである。

これは何度もなく繰り返し見てきた光景です。相場が上昇すると、値下がりの危険度が増しているはずなのに、多くの市場参加者は楽観論をだしてきます。そしてさらに多くのポジションをとろうとします。

この気持ちは自分の中の節制が足りないというより、まわりの人間を見ることによって生まれているように思います。まわりのみんなが簡単に利益を出しているときに、自分はそこで満足するということはなんて難しいのでしょう。相場が崩れる直前は、買わないやつは馬鹿という雰囲気がはびこっています。

それを強制的に守る規律が50:50の方式です。

この方式の大原則は、債券と株式への資金配分を限りなく均等に近づけることだ。相場水準の上昇によって普通株の比率が例えば55%になったら,株式ポートフォリオの11分の1を売却し、その分を債券に振り向ければ均衡が取り戻せる。また反対に、株式の割合が例えば45%に下がったなら、債券の11分の1を売却してその分で株式を買い足すわけである。

保守的な投資家はポートフォリオの半分が生み出す利益に満足し、またひどい下落の時にはリスクを恐れないほかの投資家よりうまくいってることに慰めを見いだせるであろう。

これは実行するのは簡単ですが、継続することは難しいことです。そして最良の運用成績を出すものではないことも理解しなくてはなりません。誰にもできる万能プランであって、あまりにも保守的であったと後で気付いたとしても目をつぶらなければならない、としています。

債券の部分

債券債券としきりに言っていますが、株式投資以上になじみのないのが債券投資ではないでしょうか。賢明なる投資家の本文では、ここでアメリカの債券の種類についていろいろと触れています。実はこの部分こそが、この章の一番のポイントになるのですが…。

ではわが国日本ではいったいどうしたらいいのでしょうか?

個人向け国債は利回りが低く、換金の手間を考えるとメリットが少ないように感じます。

利回りが比較的高い個人向け社債もあるものの、最低購入手数料が高くて、とてもポートフォリオの割合にあわせた売買などできなかったり、流動性の低さにより途中換金のデメリットが大きくなったりします。

利回りの高い外国債もありますが、それはグレアムがいうような株式のリスクをヘッジする、安定運用ができる代物ではありません。為替相場の影響を受けてしまったり、デフォルトする可能性のあるようなものではいけないのです。

これならいっそ、債券の部分をキャッシュポジションに置き換えてもいいように思います。証券会社の口座のキャッシュポジションといえばMRFですが、意外と利回りがよく使い勝手を考えれば個人向け国債なんかより優れています。

MRFだって公社債を運用した公社債投信なので、債券といって差し支えありません。

債券投資は基本的に満期まで保有するのが一般的で、途中償還リスクは高いものになっています。グレアム流の流動性の高さをカバーできる債券はMRFの他になにかあるのでしょうか。

債券の代わりとしての貯蓄預金

投資家は今日では、商業銀行や貯蓄銀行への普通預金(あるいは定期預金)によって、優良債券と同程度の高い利息を受け取ることができる。銀行預金は今後利率が下がるかもしれないが、現状では個人投資家にとって短期債券に代わる適当な対象である。

グレアムも個人投資家には銀行預金を薦めているぐらいです。もっとも今日の銀行預金は、米国ドルといってもものすごく低いものになってしまいましたが。

債券投資については知識が少なく、現在の私には多くを語ることができません。このページはいつか加筆したいですね。日本の債券投資については証券教育広報センターに債券投資の基礎知識があるので参考にしてください。

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