第5章 防衛的投資家のための株式選択(その1)

株価は1964年の高い水準からかなり下落しており、それが投資家を引きつけるどころか、株に対する信頼を失墜させるという逆の効果を生み出してしまっていた。株式に対する当時の一般認識は、非常に投機性が高く、ゆえに危険だというものであった。

いつの時代でも同じことが繰り返されていますね。身につまされる思いのする言葉から始まる賢明なる投資家第5章です。

普通株投資の長所

株式に関して1949年に述べた事柄は大きく分けて二つある。その第一は、債券にはインフレによる資産価値の目減りから投資家を守るという効果がまったく期待できないのに対して、株式にはその効果が相当程度まで期待できるという点である。

株の持つ第二の利点として述べたのは、他の対象に投資するよりも、相対的に高い収益を得られるということだ。

これはもちろん、何が何でも株式投資をはじめなさいという話ではありません。あまりに高い株価を支払ってまでも株を買うようになれば、こうした状況は崩れ去るという警告を発しています。

しかしそれでも、2つの理由により投資対象には株式を組み入れざるを得ないと話しているのです。知らないうちに資産を目減りさせるインフレとはそれほどに恐ろしいものなのですね。

組み入れ株式の基準

グレアムが防衛的投資家に勧める、具体的な4つの基準です。保守的で面白みのないように思えますが、株式投資というのはそれ自体リスクが高いものだと考えると、資産を守ることが第一の目的の防衛的投資家はこれぐらいの尺度が必要だとグレアムは言っているわけです。

  1. 十分な、しかし過度にならない程度の分散投資を行うこと、例えば、10銘柄以上30銘柄以下くらいが望ましいであろう。
  2. 財務内容の良い有名な大企業を選ぶこと。漠然とした基準に思えるかもしれないが、その意味はほぼ明白であろう。この点については、この章の最終項目を参照のこと。
  3. 長期にわたる継続的な配当金の支払いの実績があること。具体的にいうと、少なくとも20年間継続して配当が支払われていることを目安にすればよいだろう。
  4. 過去7年程度の平均企業収益に照らして支払うべき価格の上限を決めること。過去7年間の平均企業収益の25倍、そして過去12ヶ月の企業収益の20倍である。

3と4については内容に少し手直しがあります。3については1950年以降配当の支払い実績があること、とありましたが、内容は過去20年という意味でしたので変更してあります。

4については意味の変わらないように短くしてあります。グレアムも言っていますが、この過去7年の平均収益の25倍というのは、成長企業にとってかなりの足かせになります。2桁増益を続けているような企業は、たとえ今期のPERが割安だとしても、過去をさかのぼるとなかなか25倍に収まりません。

成長株と防衛的投資家

成長株とは10年間で少なくとも2倍以上になる

こういった株式に早い段階で投資できれば多くの利益を得られます。しかし誰しもがこのような株式を魅力に思い、法外な価格がえてしてついてしまうものです。

今まで何度も成長株は期待通りの成長を納め続けることもなく、株価は大幅な下落を起こしてきました。期待が先行する成長株は増益スピードが鈍るだけで売り込まれ、減益でもしようものならあっというまに見放されて、株価はいつまでも底辺を這いずり回ります。

これらの理由から成長株全般が防衛的投資家の投資対象としてはあまりに不確実でリスクが高いとわれわれは考える。

正しい銘柄選択を行い、それを適正な株価水準で買い付け、下落が訪れる前に売り抜けることができれば奇跡も起こりえるが、それは金のなる木を探すようなものであるとも言ってます。

それとは対照的に比較的人気のない、ゆえに合理的で入手できる大企業群こそが、一般投資家にとって健全な投資分野になるのです。

ドルコスト平均法

ドルコスト平均法は平均買い単価を低く抑えることが知られてますが、世界大恐慌のあった1929年に至る10年からデータを取ると、23の期間すべてにおいて期間終了の頃かその後5年以内に利益が出ていることがデータとしてあったということです。

トリムソン女史はこの超単純な投資方式に関する論文を、次のような印象的な言葉を持って結んでいる―「証券価格が変動しようとも最終的には成功するという確信をもって実行できる、ドルコスト平均法以上に優れた投資方式はいまだ見出されていない」

実際問題としては毎年毎年一定額を、例えば20年間といった長期間にわたって投資し続ける忍耐力のある人など、ほとんどいないと思えるとありますが、投資商品が発達した今日では、インデックスファンドを毎月購入する商品など腐るほどあります。この点は問題ではなくなっていると言えましょう。

月々投じる金額が小額であっても、20年以上にわたって投資を続ければ、その結果は投資家にとって非常に重要なものとなり得る

のですからね。賢明なる投資家第5章は、文章も長く、かつ内容が重要なものが多いので2つに分けます。その2へと続きます。

関連するエントリ(上記とかぶる場合があります)

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ケンシロウと申します

金無し父さん様はじめまして

消費者独占企業に対する考察御見逸れいたしました。

私も、消費者独占企業にバリュー投資を行っております。

これからも宜しくお願いします。

追伸

もし今後機会がありましたら、色々と意見交換など出来ればと思います。

お返事遅くなって申し訳ありません。

まだまだ勉強中の身ですので、たいした情報など提供できないと思いますが、こちらこそよろしくお願いいたします。

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