第6章 積極的投資家の分散投資-消極的な方針

防衛的投資家よりもリスクをとって高いリターンを目指す積極的投資家。原文を読んでないので正確にはわかりませんが、攻撃的投資家とも訳されてますので、Aggressive investorかPositive investorが元の言葉だと思います。

基本方針

積極的投資家ですが、それでも基本は優良債券と優良普通株式による分散投資という、危険性を排除したポートフォリオを組む事がグレアムの教えになります。

積極的投資家にとって最も役立つ一般的法則とは、消極的なものである。優良な優先株は機関投資家に任せること。劣後債や優先株は、それらが割安価格でなければ手を出すべきではないこと。利回りがいくら魅力的であっても外国政府債は避け、一見とても魅力的な転換社債や優先株、またここ数年に限って特に素晴らしい収益をもたらした普通株などの新規発行証券についても用心すべきであること、などが挙げられる。

第6章はこれらの内容を細かく説明してあるものです。それでは順に見て行きましょう。

二流債券と優先株

二流債は利回りが高いが、それ相応のリスクをもった債券です。この利回りの良さに引かれて二流債を買うことに対して、グレアムは警鐘を鳴らしています。

二流債は支払利息に対しての企業収益が低く、確実な償還も望めません。赤字によって「支払いが滞っている高利回り債券」、「無配の優先株」に、いったい誰が価値を見出すでしょうか。さらに二流債は価格変動が激しく、利回りどころか価格下落のため元本の大部分を失う危険も高いのです。

安全な鉄道債というためには、税引き前総収益が支払利息の5倍以上である事を条件としている。

ただ二流債や優先株は相場が良くない時期にはこぞって価格の下落に苦しむが、相場が再び好転すれば元の状態に戻り、終局的にはうまく行くと述べています。割安価格で手に入れられた投資家は、景気回復の後大きく膨らんだ累積未払い配当金などを受け取ることができ、大きな利益を得られるのです。

価格変動が大きい二流債は、逆に考えると安く手に入れられるチャンスもいつか訪れるということです。

二流債や優先株で得られる高利回りは、全体的にみると、回収できない元本の損失を埋め合わせる結果になる。つまり、このような銘柄をすべて発行価格で買った投資家は、長期的に見ると、一流債にのみ投資した人と同じか、若干それを上回る結果を得られる可能性があるのだ。

これは現代流に言えば、リスクとリターンのトレードオフにあると言え、平均的に見ると高いリスクをとったものは高いリターンにありつけるということです。

しかし実際には、リスクとリターンの整合性が取れるほどの分散投資を行う資金は持ち合わせていません。個別銘柄で見ればリスクが高いため、投資家は価格の暴落の不安が常に付きまといます。締めにグレアムは、二流債をほぼ満額で買うのを控えるのは常識であると述べています。

外国政府債

格付の高い外国政府債がデフォルトすることを憂うことはないが、有事の際には権利を行使するための法的手段がない事を語っています。ここら辺はアメリカならではといった感じですね。

格付の低い外国債は二流債と同じく、大きすぎる価格変動と金利の未払いのため保有しないほうが良いといっています。

新規公開株について

新規公開株(IPO)について、グレアムがあまりにも的を射た回答をしています。

上昇相場の中ごろから新規公開が始まり、その価格はそこそこ魅力的なものであり、初期の公開株式を買った人は大きな利益を手にすることができる。相場上昇が続くと、この種の株式が相次いで公開され、それにつれて上場する株式の質が次第に下がってくる反面、公開時の売り出し価格は法外なほど高くなる。

上昇相場の終焉を示す確かな兆候のひとつとして、得体の知れない小企業の株式が、株式市場において長い歴史を持つ中堅企業の株価よりも高値で売り出されることが挙げられる。

2000年ごろのITバブル、2005年ごろのIPOバブルとも、実態のよくわからない企業が続々と株式を公開していきました。株式公開の本質は、大株主が持ち株を有利な価格で売り出し、資産を現金にかえるということです。株式を公開して資金を得、投資にまわして収益を上げるというのが本来の目的です。

しかし株式公開して金持ちになるのだけが目標の上場も多く見受けられます。市場が活況なほど株価が高くなるのでこぞって上場しますが、市場が低迷すると新規公開はぴたりと止まります。

買う側も公開価格と初値の差益だけを見込んで買っていますから、気になるのは当選するかということと初値がいくらつくかということだけです。

これはお互いにとても投資と呼べたものではありませんね。

ほとんどの新規公開株の価格は数ヵ月後に大きな下落をします。しかしその中には価値以下にまで下がってしまうものもあります。2~3年たって誰からも見向きされなくなったとき、真価の何分の一かで入手できると素晴らしい買い物になると話しています。

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