バフェット流成長のバリュー投資(消費者独占型企業)

グレアムよりはメジャーなウォーレンバフェットです。が、たぶん投資を知らない人は聞いたことない名前かもしれません。バフェットは10万ドルの元手で、600億ドルもの資産を株式投資をはじめとする投資事業で築きました。2008年にビルゲイツを抜いて、13年ぶりの世界第1位のお金持ちになりました。そんなバフェットの得意とするのが成長のバリュー投資です。

成長のバリューとは

バフェット流の成長のバリュー投資に入ります。一般に成長株(グロース株)投資と反対の意味で、割安株(バリュー株)投資といった使い方をしますが、ここで言う成長のバリュー投資は、将来の成長価値に対して、現在の価格が割安なものととらえて下さい。あくまで価値と価格ではかるのがバリュー投資家です。

彼はグレアムの弟子です。グレアムの考えを引き継ぎながら、成長という分野に目を向けました。成長という未来を見るということは、確実性に欠けるためグレアムが禁じたものです。バフェットは師の教えを超えていったのです。

一般にいう成長株とは、成長分野の人気株です。しかしこれらは激しい競争のために、いつまで繁栄が続くかわかりませんし、今の株価水準が高すぎていても、将来の利益を考えれば安いということで、常識の範疇(はんちゅう)を超えたPERがついてしまいます。グレアムはそのために、わからない未来は捨てて、現在の資産価値のみで投資をしました。

しかしバフェットは、数少ない選ばれた企業のみ、安定した未来の成長を見込むことが出来ることを発見したのです。

消費者独占型企業とは

バフェットが見つけ出した数少ない企業群。それは消費者独占型企業(コンシューマーモノポリー)です。

これは簡単に言うと、ある商品やサービスを受けようと思ったら、そこの会社で買うしかないということです。よくある例えですが、大きな川があるとします。そしてそこには一本の有料の橋がかかっています。すると川を渡りたい人は、その橋でお金を払ってわたるしかありません。これが消費者独占型企業です。

消費者独占企業有料ブリッジ

実際には全て独占しなくても、ほぼ半数を独占しているような状態でもOKです。この企業のいいところは、インフレを価格に転嫁できることです。橋の通行料金が上がっても、その橋を渡るしかないならみんなお金を出して通ってくれます。

有料ブリッジ値上げ

4種類の消費者独占型企業

消費者独占型企業の具体的な見分け方として、4つの種類がバフェットの銘柄選択術で紹介されています。以下の通りです。

  1. 長期使用や保存が難しく、強いブランド力を持ち、販売業者が扱わざるをえないような製品を作る事業
  2. 他の企業が事業を続けていくために、持続的に使用せざるをえないコミュニケーション関連事業
  3. 企業や個人が日常的に使用し続けざるをえないサービスを提供する事業
  4. 宝石・装飾品や家具などの分野で、事実上地域独占力をもっている小売事業

コモディティ型企業

逆の企業群があります。それがコモディティ型企業です。コモディティ型企業は、似たような商品、サービスを提供している会社です。

このタイプの企業は、値段が一番安いところだけにお客が来ます。またよくある例えですが、あなたはガソリンを入れるときに、どこどこのガソリンでないといやだ!っていうのありますか?きっと値段が一番安いガソリンを入れようとするでしょう。

コモディティ型企業は熾烈な価格競争です。勝利企業だってうかうかしていられません。どんどん安く作る方法が開発されるからです。しかもインフレになっても簡単に値段を上げられません。値段を上げたらお客さんが離れていくのが目に見えているからです。

消費者独占型企業の、コモディティ型企業への優位性はまだこれだけではありません。

利益の構造

消費者独占型企業と、コモディティ型企業の違い、それは現状維持のための資金の追加です。ほんの少しのコストの差が、長期的に見ると後々大きくなることはわかると思います。

消費者独占型企業では、事業の継続のために大きな資金を必要としません。いつまでも売れ続ける商品を作っているため、毎年大きな設備投資を行わないですむからです。

しかし、コモディティ型企業に代表される自動車産業などでは、いつまでも同じ車種を作っていては、ライバルに差をつけられるため、毎年(ないし数年のうちに)大きな設備投資を継続的に続けなくてはなりません。

このため、同じ成長率の一株利益だとしても、そのうちの何割かは現状維持のため、強制的に設備投資のための内部留保として使われるのです。これはもちろん利益が出なかった年も、必ずかかる必要経費です。

消費者独占型企業とコモディティ型企業の利益構造の違い

つまり消費者独占型企業とコモディティ型企業では、初めから体質が違うのです。利益が出る構造と、そうでない構造です。そのため消費者独占型企業は多くの負債を抱える必要もないのです。

成長のバリューとは、成長するのに資本がかからないことを指します。

売買のタイミング

バフェットの株の売り時はいつでしょうか。バフェット自身は『買ったら後は永久に保有するだけだ』と言っています。毎年利益を上げ続け、将来にわたっていつまでも伸び続ける銘柄選択だからこその言葉です。

次に買い時です。この点が実はバフェットが、他の投資家たちと大きく異なり、そのために大きな利益を上げ続けられた理由です。

相場全体の調整や暴落、全般的な景気後退、個別企業の特殊要因、企業の構造変化のどれか、または複合で訪れた場合です。特に、相場が暴落しているときに、下方修正や赤字決算を出したときの、過剰に株が売り込まれたときが絶好の買い場です。

言葉で言うのは簡単ですが、業績が悪化したときに買い進むのは非常に難しいと思います。それが一時的なものかどうか見極めることが必要になります。相場全体の暴落なら、割と落ち着いて買いに回れるとは思います。

保有銘柄数についてバフェットは『順番に20番目によいと思う銘柄を買うより、1番いい銘柄を多く買う方がいい』と言っています。つまり信頼できる数少ない企業を選び出して集中投資をする、ということです。1番上がる株を買う、自分を信じているなら当然のことです。とは言っても、バフェットは10銘柄ほどは持っていますけどね。これは機関投資家としては少数精鋭のポートフォリオといえます。

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