第7章-3 大企業と二流企業の投資

バリュー投資の対象として、有名な大企業への投資と小さな二流企業への投資のどちらにするか悩む時があります。それぞれのメリットを紹介します。

大企業を選ぶメリット

急成長していたり、何らかの理由で魅力がある企業の株式を過大評価する習性が市場にあるとすると、論理的には、停滞しているために注目を浴びる事のない企業の株式は、少なくとも実際よりも過小評価されると考えられる。これは株式市場の基本的な法則で、投資にこの法則を用いれば防衛的でしかも確実に収益を上げられると考えられる。

結論を言いますと、安く買える大企業があるならまずそちらを買うべきです。

一番重要なのは一時的に人気の停滞している大企業に投資を集中させることである。大企業にはメリットが二つあるといえる。第一に、豊富な資本と頭脳があるため、逆境を乗り切り、再び充分な収益を得られる状態に戻れる点。第二に、市場はこれらの企業が何らかの向上を示すと、きちんとそれを反映する点である。

第一の点はすぐわかりますね。大企業というのは単純に潰れにくいです。第二のメリットには実感を伴います。

バリュー投資を行っていると、「こんなに割安で手に入れられたぞ」って思う反面、「いったいいつになったら市場はこの株に気付いてくれるんだ」って思うことがたびたび訪れます。

注目がないからこそ価格が価値を大きく下回るのですが、いつかは市場に気付いてもらって価格が上がってもらわないと困ります。それが小型株の場合はなかなかやってこないのです。

大企業は注目しているアナリストが多い分、好転したときの反応が早いです。規模が大きい順に、価格が見直されていく事が多いので、どちらかを選ぶならまずは大企業からという事になります。

二流企業の場合

まずは何を持って二流企業とすべきかですが、グレアムは重要産業における主要企業以外の企業と定義していますが、これは大企業以外の企業として良さそうですね。

二流企業は大きく成長する可能性がある反面、消滅する可能性もあると市場は評価するので、株式市場が活況な時は株価は舞い上がり、冷え込むと叩き売られるというボラティリティが激しい特徴があります。

将来の無限の成長の可能性があるのなら、いくらで買っても高すぎることはないと言えますし、消滅してしまうのならいくらで買っても高すぎると言えるからです。株式市場の変動によって、値段のつけられ方に大きな差がつくのが二流株です。

この二つの見方はどちらも誇張的

なのです。

以上のことから、二流企業に対する株式市場の見方は非現実的になりがちで、その結果、通常、大幅に過小評価された割安株を生み出すことがわかる。

いつの時代のバブルも、どちらかといえば過大評価された二流株に途方もない値段がつきます。その後の暴落では決まって正反対に振り子が振れて過小評価されます。

二流株を割安価格で買って莫大な利益を得るパターン

グレアムが述べる、過小評価された二流株から得られる利益のパターンの箇条書きです。

  1. 配当が比較的高いこと。
  2. 再投資された収益が株価より多く、それが最終的に株価に大きく影響すること。
  3. 強気相場は通常、低価格の株式に対して最も有利に働くため、典型的な割安株が少なくとも妥当な水準まで引き上げられる傾向があること。
  4. 相場が比較的特色のない期間ですら絶えず株価は調整されているので、過小評価されている二流株も、少なくとも正常と思われる水準まで上昇すること。
  5. 企業の業績が芳しくないときには必ず何らかの要因があるが、この原因は多くの場合、何らかの新しい条件または新しい経営方針または経営者の交代などによって是正されるものであること。

上のほうほど重要度が高いと見て良いようです。これにM&Aの可能性も追加しています。

多くの二流株が割安となる暴落時は、後から見るとあの時買っておけば、と思うことしきりです。逆境を乗り切る二流株を選ぶことができたら、その数年後にはきっと満足のいく収益を得ているのではないでしょうか。

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