第9章 投資ファンドへの投資

グレアムの時代にもたくさんの投資信託、ミューチュアルファンドがありました。投資信託について語っている第9章です。

この章ははじめに投資信託の種類など、基本的なことが解説してあります。特にここで取り上げるべき事でもないため割愛します。

投資ファンドの実績全般

投資ファンドというのはご存知の通り、その実績は平均するとインデックスから手数料を引いたものから、さらにマイナスになります。「投信を買うぐらいなら個別株を買うほうが良い。コストが高くつくから」という言葉は、投資を始めて投資信託の仕組みを知るうちにどこかで聞いたことだと思います。

確かにそれはそうなのですが、グレアムは単純にそれが全てだといっていません。

ファンド全般がある目的のために役立った事は確かである。貯蓄と投資という、二つの好ましい習慣を人々に浸透させたのだ。しかもファンドは株式市場において、無数の個人投資家を財政的な「火傷」から守ってきただけではなく、顧客に普通株への直接投資に匹敵する所得と利息をもたらした。

株式投資で破産する人がいます。しかし投資信託で破産した人は聞いた事がありません。

普通株による堅実な投資を目指して証券会社に口座を開いた平均的な個人投資家は、気がつくと投機的になり、多大な損失を被りやすくなる。

最初は誰しもが堅実な金額から、少しずつ投資を始めます。しかし利益を得て有頂天になったり、あるいは損失をかぶって取り返そうとするうちに、初心を忘れた行動に出て大きな損失を招くのです。いったいこの数年間だけでも、どれだけのカリスマと呼ばれた個人投資家が姿を消していったでしょう。

自制できないと株式市場では生き残れません。投資信託にはその効果が働くという話です。

しかし残念ながら日本の投資信託には、今のところ投資家に大きな利益をもたらしているものは無いと言わざるを得ません。新聞のオープン投信の欄を見ると基準価額が1万円を割っているものがほぼ全てですから…。ドルコスト平均法を組み合わせていないと、投資信託購入者に利益は出ないように思えます。

パフォーマンスファンド

アクティブ運用により、大きな値上がりを得ようとするファンドです。その結末はいつも決まったものになります。

際立った成果を上げるためには、特別なリスクが付き物である。当面は目覚しい成果を上げるかもしれないが、それもほとんどの場合は一時の幻想にすぎず、最期は必ず悲惨な損失で終わる。

リスクをどういった形でとるかはそれぞれ違いますけども、利益を求めるあまりインサイダー取引などの違法行為に手を染めた例もありますね。ああ、村上ファンド…。

クローズド投信について

日本の上場投信は指数連動が多いのですが、米国には新規募集をしていないクローズド投信も多く上場しています。新規で加入はできないのですが、市場で買うことによりファンド保有者になる事ができるのです。

この上場投信ですが、市場参加者の需給によって値段が決まるため、ファンドの正味価格より値段が上下する事があります。通常のオープン投信では考えられませんが、人気のファンドは基準価額より高くなり、人気がないファンドは基準価額より安くなってしまうのです。

投資業務のバークシャー株がPBR1倍以上になっているのと同じ理屈ですね。将来に期待して高い値段がついているのです。

これはわかりやすい価値と価格の乖離です。そして人気のファンドのその後のパフォーマンスが、決して高いわけではない事を考えると、安く仕入れたクローズド投信に軍配が上がるといっています。

さらに安い価格で手に入れたときの直接利回りは、相当な不利な状況になっても、販売手数料を含めたオープン投信よりもクローズド投信のほうが有利になります。 NPV(正味現在価値)Net Present Valueより安く買うことのできるクローズド投信はとかく有利なのです。

バランスファンドへの投資

色々組み込んでリスクを分散しているのが売りのバランスファンドですが、グレアムの解説はたった5行。債券投資を自分で行ったほうがいいという単純なものです。

投資信託というのは基本的に証券会社の商品です。買うということは必ず証券会社の儲けというコストがかかっているのため、無駄なものが組み込まれていないものを買うことが大切です。

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