第10章 投資家とそのアドバイザー
グレアムの時代と違い、直接証券会社の人と直接話してアドバイスを受けるということは減ったように思います。私自身も証券会社の人とは話したことがありません。一度だけIDとパスワードを忘れてコールセンターの人と話したことはありますけど…。
今の時代は皆、あふれるような情報の洪水から必要なものを自分から掴みにいくようになりましたが、それでもグレアムの原則はなるほどと思うこともあると思います。その原則とは投資家にとっての情報の価値は、投資家本人の姿勢によるものであるということです。
投資とアドバイス
投資というのは他人のアドバイスで儲けるという珍しいビジネスであるとグレアムは述べています。投資の勉強をするということは誰かの意見を聞くことであり、今ここにいるあなたも、私のアドバイスを(参考程度にしろ)聞いているということになります。
投資をする目的がおカネを儲けることなら、人にアドバイスを求めることはすなわち、どうすればお金が儲かるかを問うことである。
これは普通ではありえないことだと言っています。そして問題なのは、アドバイスをする側の人間もビジネスで行っていることであり、多くの人が求める情報を提供することが彼らの利益につながりやすいことです。
大衆が求めている情報とは
昔も今も、多くの人が望むことについて、グレアムの次の言葉がよくあらわしています。
客から、ある普通株が「手堅い」かどうかを問われたとき、それは「この株は今後数ヶ月間で値上がりしそうか?」と問われている場合が多い。このため多くのアナリストはティッカー(相場受信機)に目をやりつつ、分析しなくてはならなくなり、そのような姿勢からは決して健全な考え方や価値のある結論は出てこない。
多くの人が求めている情報だと思います。そのおかげでこの世の中のほとんどの情報は、相場や経済の先行きの見通しや、年末の日経平均株価の予想など、株価の話題ばかりが目に付くようになってしまっています。こんな長期投資の理論ブログなんて限られた人しか訪れません(笑)
しかしグレアムは、証券アナリストに自分が求める情報は「内部情報」なんかではなく、適切な証券価値についてのことであるときちんと伝えれば、証券アナリストも協力してくれると話しています。
同じようにネットの情報の洪水も、あなたを惑わすたくさんの意見を目にすることもありますが、企業のデータの数字を冷静に見る事だってできます。つまり今でも、投資家本人の行動によって得られる情報が違ったものになってくるのです。
要約
賢明なる投資家第10章は、得られる情報は鵜呑みにせず自分で深く吟味しなさい、とグレアムが言っている章です。得られた情報を噛み砕くのが積極的投資家の本来の姿ということです。ただしグレアムはこうも言っています。
例外として、アドバイザーの誠実さと能力が明らかな場合に限り、投資家はその決断を理解したり認めたりしなくても、彼の言葉に従っていいだろう。
ちょっとこれは納得がいきません。何を持って誠実で能力があると判断していいのでしょうか。それがわかれば苦労しないし、わかったつもりになるから詐欺事件が後を絶たないと思うんですけど…。
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