宝くじからみる、リスクとリターンのトレードオフの真実(後)
リスクとリターンの話なのですが前回の宝くじの話に目を通してからお読みください。
話が混乱するといけないのであらかじめ説明しますが、ここでいうリスクとは価格の値動き(ボラティリティ)のことであり、大幅に値上がりしたものや下落したものはリスクが高いといいますし、毎月じりじりと値下がりしてもリスクが低いという事になります。
ハイリスクローリターン銘柄の仕組み
リスクとリターンのトレードオフという関係は、リスクが高くなるにつれてリターンが増えていくという人もいますが、これは明らかに誤りですね。
ハイリターンを得るためにはハイリスクを負わなければならないのであって、ハイリスクを負えばリターンが高くなるというわけではありません。

こちらはKINZAI Financial Plan No.288 (288)の59ページの表ですが、この図の見方をまずご説明します。
◆で構成されているグラフは、バブル時期の1985~1994のものです。▲は1995~2008のものです。時期によって大きくリターンが変化しているので、二期に分かれています。
リスクごとに10分の1ずつのグループに分け、とったリスクに対するリターンを見るための表です。このグループは毎月見直しを入れて調整されたものになっています。(リバランス済み)
リスクは過去5年間の月次リターンの分散です。
表から読めること
バブルの頃は何でも買えば儲かったんだなあ、ということはとりあえず置いておいて、気がつくのはハイリスクは全然ハイリターンじゃないということです。
バブルの時期はむしろ低リスク銘柄群の方がリターンが高いですし、後期はミドルリスク銘柄がわずかに上回りますがそんな大差はありません。
そして一番のハイリスク群のリターンはひどいものになっていることが読み取れます。
ハイリスクハイリターンの幻想
大きなリターンを得るために、リスクが高いのは承知で多くのプレミアムを支払ってしまっているからこうなっているという面が強いです。
- ひょっとして大化けするかも
- 今は赤字だけど復配するかも
- この法案が成立すれば倒産しないかもしれない
- 買収が現実になれば…
などなど、考え方は無数にあります。事態が好転すれば大きなリターンを得られますし、実際にうまくいって大化けする銘柄は少なくありません。問題なのは、それらをすべて買ってしまうとリターンは低いものになってしまうという現実です。
これが前編で紹介した、宝くじは期待収益率が▲54.2%なのに、大きなリターンの魅力で買う人がたくさんいるのと同じ理屈です。誰かは必ず大成功するというのが落とし穴です。
だめもとで買うものは、価値に比べて高い値段がついているということです。
コメント & トラックバック