PER戦略
指標と言えばまずこれが思いつくところです。一般的にバリュー銘柄はPERが低く、グロース銘柄はPERが高いものです。PERを基準にした機械式アプローチの結果は?
始めに-このカテゴリの注意事項-
このカテゴリの株式指標戦略の全ての共通ルールです。低PERといった場合は全銘柄から見て相対的に低いPERということを示しています。つまりこれはPER10倍以下、という話ではなくて、PERの低い順に銘柄を50集めたものの結果を見ます。
これにより市場が加熱していて、全体的にPERが割高なときも、また冷え切っていて割安なときも投資することが出来ます。また十分位数分析という言葉が出てきますが、これはPERなどの指標を高い順に並べて、1番高いグループ、2番目に高いグループ………、としていき10番目までグループ分けをしたものです。
また全銘柄といった場合でも、超小型株は省いてあります。これは超小型株は出来高がないために、実際には投資できないからです。超小型株のリターンはすばらしいものなのですが、計算に入れると(実際には取引できないなどといった)机上の空論になってしまいます。
大型株といったときは時価総額が上位16%にはいるもの、これは全銘柄の時価総額の平均値以上であることをあらわしています。日本でよく言う、発行済み株式数ではなく、時価総額の大きな株です。
…と、まわりくどくなりましたが、分析に入ってみるとこんな細かいことは関係なしに、非常にわかりやすい結末になります。それではPERを使った戦略を見ていきましょう。
PER戦略4パターン
PERが高い銘柄が割高であることは誰でも知っています。実際のリターンははたしてどうなのでしょうか。
全銘柄からPERが低い50銘柄を選び、毎年組み入れたとします。45年間で1万ドルが212万5935ドルになります。複利で12.65%になりました。しかしこれは単純に全銘柄を買った場合の13.23%より負けてしまっています。ちょっと意外です。
次に大型株からPERが低い50銘柄を選んで毎年組み替えます。45年で378万7460ドルになり、複利で14.10%でした。これは単純に全銘柄を買った13.23%や、大型株全部を買った11.92%よりも優れています。
全銘柄からPERが高い50銘柄を買うと、45年で55万8065ドルになりました。複利で9.35%で大幅に負けています。
大型株からPERが高い50銘柄を買うと、45年で64万6963ドルになり複利で9.71%です。ここまで来るとPERが高い銘柄を買うことが、なんてばからしいのだろうと思います。
PER戦略まとめ
結論としまして、低PERだから買いというわけではなさそうです。時価総額が小さな企業の場合、他に問題があるからこそPERが低く評価されているということもありまして、それだけ見て買うのは危険を伴うということがわかりました。しかし大型株にいたっては割安感から買い戻されたり、純粋に益回りから見ても割安だということがわかります。
PERが高い株をわざわざ選んで買うのは愚の骨頂です。他に魅力があって買うならまだしも、PERが高いという理由で買う人はいないとは思いますけど。他にどんなに魅力的な話題があっても、PERが高い銘柄は苦戦を強いられるということがわかりました。
PERの十分位数分析
十分位数分析をしてみましょう。1が1番低いグループで、10が1番高いグループとなります。11は全銘柄のリターンです。『おや?1番低いグループのリターンが結構いいじゃないか。さっきと言っていることが違うじゃないか』と思いませんか。私は思いました。

これはPERが低い50銘柄というのは、1番低いグループの中でも特に低い銘柄群になります。何しろ全体で最低でも7200銘柄以上あるのですから、10分の1でも1グループ720銘柄はあることになります。だからリターンの数値がこんなに違うのです。これはこのあとすべての指標に当てはまります。
見てわかるように1番低いグループよりも2番目3番目のほうがリターンがいいです。つまりPERは低ければ低い方がいいわけでなく、全体から見て低めの銘柄を選ぶ方がリターンが良くなります。

これは大型株です。同じように1が1番低いグループ、10が1番高いグループ、11は全大型株のリターンです。大型株に関していえば低PERに分があります。しかし、そもそも大型株のほうが全銘柄より、リターンが悪いことをおぼえておかなくてはなりません。
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