グーグルは消費者独占型企業か

検索エンジンと言えば、日本ではヤフージャパンがあまりにも有名ですが、米国では70%近くがグーグルを使用しています。

知りたい情報を探し出すという検索エンジンの機能としては、グーグルのほうが高性能であり米国でのシェアも当然のものだと思います。日本がヤフーよりなのは国民性の違いもあると思います。

さてそんなグーグルですが、投資対象としてみたときにバフェットのいう消費者独占型企業には当てはまるのでしょうか。

グーグルの歴史

まずはグーグル(goog)の上場までの歴史を見てみましょう。Wikipediaより重要そうだと思われるところを引用しています。

  • 1998年9月7日 - アンディ・ベクトルシャイムからの10万ドルの資金援助を受け、カリフォルニア州メンロパークにある友人のアパートで創業。
  • 1999年6月7日 - KPCB、セコイア・キャピタルから2500万ドルの資金を調達。
  • 2000年6月26日 - Yahoo!のサーチエンジンに採用される。
  • 2000年10月 -Overtureの課金型リスティング広告を参考にアドワーズを開始。
  • 2001年8月 - 日本法人のグーグル株式会社を設立。
  • 2004年2月18日 - Yahoo!のサーチエンジンの契約終了。
  • 2004年8月19日 - NASDAQで株式公開。ティッカーシンボルは「GOOG」。

グーグルの検索エンジンは優秀だったため、ヤフーで採用されるようになったんですね。当時は検索がビジネスになるとは考えておらず、ポータルサイトのひとつのサービスとして位置づけられていました。しかし検索エンジンによる商品ページへの直接の移動が増え、Overtureのように検索語句を広告にするという時代になりました。

ヤフー側もこのままではグーグルに検索エンジンのシェアを全て握られると危機感を持ち、独自のロボット型検索エンジンYST(Yahoo! Search Technology)を開発、グーグルとは決別したのでありました。

グーグルの戦略

その後はグーグルはその検索精度の高さと、(広告は別として)人為的な操作を含まない公平な検索結果で、米国シェアナンバーワンを握るまでになりました。2007年11月ですが、米国の検索エンジンシェアがこちらのページ中段で確認できます。ついでに日本のシェアはこちらで確認できます。

グーグルのビジネスモデルは、まず消費者に高機能なツールを無料で与えることです。多くの人が気に入って使うようになるので、そこに広告を出し自分たちは後から儲けるのです。

これはまず先に金をとろうとするマイクロソフトとは対称的ですね。マイクロソフトもグーグルも同じIT関連ですが、考え方がまるで正反対です。パソコンという箱に全てをいれようとするマイクロソフト。web上で誰もが自由に共有できるようにするグーグル。ホームページを作る人のネタ帳にweb屋さんの視点でエントリーが書かれています。

グーグルを検索にしか使ってない人は、グーグルのサービスのホンの一部しか享受していません。グーグルマニアというサイトにはサービス一覧が紹介されています。

グーグルの成長

グーグルの会社としての数字の歴史です。恐ろしいほどの急成長を遂げています。数字の単位は百万ドルです。まずは損益計算書から見てみましょう。

売り上げ 営業利益 純利益
01 86 10 7
02 439 185 100
03 1,465 346 105
04 3,189 650 399
05 6,138 2,141 1,465
06 10,604 4,011 3,077
07 16,594 5,674 4,203

ドッグイヤーという言葉があるように、この業界は移り変わりが激しいとしても、すさまじい数字です。年に数百%の成長率を記録してきました。次は貸借対照表です。

流動資産 流動負債 長期債務
02 286 99 6.51
03 871 268 1.99
04 3,313 384 0
05 10,271 852 0
06 18,473 1,433 0
07 25,335 2,646 0

借金が少ないです。流動比率も年を追うごとに高くなっています。製造業などは成長と共に流動負債も長期債務も増えていくのですが、消費者独占型企業の特長である負債の少ない成長を遂げています。

グーグルは消費者独占型企業のどれに当てはまるか

グーグルが消費者独占型企業に当てはまるとするならば、以下の4つのうちのどれか、または複数に当てはまるはずです。

  1. 長期使用や保存が難しく、強いブランド力を持ち、販売業者が扱わざるをえないような製品を作る事業
  2. 他の企業が事業を続けていくために、持続的に使用せざるをえないコミュニケーション関連事業
  3. 企業や個人が日常的に使用し続けざるをえないサービスを提供する事業
  4. 宝石・装飾品や家具などの分野で、事実上地域独占力をもっている小売事業

2か3が当てはまりそうですね。

グーグルは未来永劫の企業か

グーグルは現在のところ、圧倒的シェアを握る消費者独占型企業のように見えます。実際にwebにかかわる人ほど、無くてはならない存在だといえるでしょう。

しかし、です。

グーグルでなくてはならないことは、なにひとつ無いのです。前述のホームページを作る人のネタ帳さんのブログで次のように述べています。

ある日突然GoogleのAdSenseとアドワーズ以外のサービスが停止したとします。
思ったのは、検索は仕方なくYahooにいくかも・・・。Gmailはあそこ・・・。RSSリーダーは仕方なくNTTレゾ・・・。カレンダーは確か良いフリーソフトが・・・。等など、色々考えても『恐ろしく不便になるけど』何とかなります。

まったくもって同感です。web上で(粗悪品だとしても)似たようなサービスは手に入れることはできるのです。別の言い方をするなら、グーグル以上の機能を持ったツールが出てくれば、簡単に乗り換えてしまいます。

また、もしグーグルのサービスが有料になったら、その日からもう使わないでしょう。グーグルという名前にフランチャイズはないのです。あるのはグーグルの無料で使える高品質なサービスだけです。

現在は検索エンジンが主流ですが、将来はそれに取って代わる何かが生まれるかもしれません。ソーシャルブックマークサービスもそのひとつと言えるでしょう。20年後もグーグルが強力な力を持っているとは断言できないのです。

だがしかし…

そのあたりのことはグーグルもわかっています。そこでグーグルはweb上の目新しいサービスを、巨額の資金をもってことごとく買収しています。webというプラットフォームのM&Aは、高いシナジー効果を発揮し収益に結び付けています。

グーグルの未来は一体どうなってるのでしょうか。結局のところどっちだってはっきりした答えは出せませんでしたが、今後数年間はその強大な帝国にかげりが見えることはなさそうです。

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