効率的市場仮説とは
効率的市場仮説とはファイナンス理論における基本的な考え方です。市場の株価はニュースや材料をいかなるときもすでに織り込んでおり、常に適正価格になっているという考え方です。
市場は常に効率的である
市場は賢い投資家たちによって、常に適正な価格で取引されています。もし割安株などがあったとしても、直ちに裁定が働いて適正価格になるのです。
そのため株価というものは、まだ誰も知らない未来のニュースによって今後どのようにも動くから、予測不能でありランダムに動くようになるのです。このあたりは『ウォール街のランダムウォーカー』あたりを読むとよくわかります。
効率的市場仮説信奉者のファイナンス教授と、その学生が道を歩いていた時、10ドル札が道端に落ちていた。学生が10ドル札を拾うと、教授はそれを大声でたしなめた。「君はまだわかっていないのかね。もしこれが本物の10ドル札だったなら、もうとっくに誰かが拾っているはずさ」
効率的市場仮説のお札のジョークは有名です。
3つのレベル
効率的市場仮説には、どのあたりの情報まで価格に反映されているかの度合いにより、3つのレベルに分類することができます。
- ウイークフォーム
- セミストロングフォーム
- ストロングフォーム
過去の株価の動きは相互に独立でランダムなもので、過去の株価を分析しても何もならないとしています。過去の株価を分析するテクニカル投資を否定しています。サイコロを振って出目をチャートにしたものは、本当の銘柄のように見えるという話があります。
一般に公開された財務情報や企業情報は、即座に株価に形成されて織り込まれます。現在知りえる全ての事象は、すでに株価に織り込まれているのだから、いくら今の企業を分析しても無駄足に終わるということです。これはファンダメンタルズ投資を否定しています。
公表されている情報以外の、インサイダーしか知りえない情報も漏れたりしてすでに株価に織り込まれているという考え方です。この説はそんなに有力には扱われていません。
市場成績を上回るのは不可能
効率的市場仮説の行き着く先は、パッシブ運用になります。これはインデックスと連動する運用方法です。ニューヨークダウや日経平均株価などの指数ですね。
多くの投資信託のファンドマネージャーたちは、これらの指数をベンチマークとし上回ろうと躍起になっていますが、現実にはほとんどのファンドマネージャーたちは上回ることができません。もちろん上回る投資信託もあるのですが、長期的に上回り続けるものはほとんどないのです。
どれだけお金をかけて情報を集め、会社の財務情報を分析したとしても、何も考えずにインデックスを買ったほうが良い成績を上げ続けられるというが現実ですから、多くの投資家にとってはインデックスを買うのが一番賢明な銘柄選択といえるのです。
効率的市場仮説は絶対ではないが…
と、ここまで効率的市場仮説信奉論者みたいな書き方をしましたが、私は信者ではありません。しかしおおむね間違っていることを言っているわけでもないことは数年間の経験により痛感しております。
多くの場合にとって市場は効率的であり、株価に付け入る隙はありません。しかしアノマリーが存在することも確かに実感できております。それは低PERや低PBRであったりはもちろんのこと、市場がまだ気づいていない銘柄の存在も確実にあるからです。
そのほかにも株式市場の熱狂と落胆は、とても合理的と言えないことはわかりきっています。市場が効率的であればバブルも起きないでしょうから。もっともバブルは賢い投資家たちの資金力を上回る金額を、愚かな投機家たちが注ぎ込んできたとも言えるでしょうけれども。
今どき効率的市場仮説が正しいかどうかを語ることはナンセンスです。「市場はおおむね効率的である」というのが正しい表現です。だから多くの投資家はインデックスを買ったほうが成績はいいし、インデックスを上回る賢明な投資家がいても不思議ではないのです。
もちろんバリュー投資はインデックスを上回る投資法として存在しています。グレアム門下の著名なバリュー投資家たちは(通算すると)何年にもわたって市場成績を上回り続けています。
効率的市場仮説はニュートン力学で、バリュー投資は相対性理論といったところでしょうか。かえってよくわからなくなりましたけど・・・。
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