逆張り投資法とは

逆張り投資という言葉に、私は長い間誤解をしておりました。逆張り投資とは下落している株を買うことだと思っていたからです。落ちていくナイフを掴むことだと思っていました。しかし、逆張り投資法とはそういうことじゃなかったのです。

カウンターゲームにみる逆張り投資法

ということで、このカテゴリーではカウンターゲームを分析して、最適な投資タイミングのとり方を研究します。投資タイミングといえばグレアムが賢明なる投資家第8章で、

株価予想に重点を置くタイミング手法をとれば、その人は投機家に成り下がり、投資成果も投機家のそれと同様に終わるであろう事も確かである

と述べています。さらに買いタイミングが訪れるまで待つというのを、グレアムは配当利益を逸失する行為とも述べています。

理屈はわかりますが、投資タイミングによって運用成績に大きな差がでますし、投資タイミングをはかることはリスクを減らす行為でもあるのです。バフェットいわく『株式市場に見逃し三振はない』のですから。グレアムのいう債券と株式の保有割合をうまく活用したいところです。

バリュー投資をする人は、市場の先行きを見通せないという前提があるため、購入タイミングを考えない傾向があります。私もそうでした。しかし現在の市場に悲観論がはびこっているか楽観論がはびこっているかはわかることです。今後の行く先はわかりませんが、少なくとも現在はわかります。ここに逆張り投資法がうまく使えるのです。

逆張り投資法とは

逆張り投資とは、誰も買わないときに買い、誰も売らないときに売る方法です。言葉にするとものすごく簡単ですね。ジム・ロジャーズの言葉を借りると

幸福感の絶頂で売り、恐怖感の真っただ中で買え

ということです。株は安い時に買い、高いときに売るのが理想ですが、安いときは誰もあまり買わないときであり、高いときというのはあまり売らないときであります。つまり大衆とは逆に動かなくてはなりません。

長いこと株をやっていれば、何度となく聞いたような言葉です。『人の行く裏に道あり花の山 』とは有名な株の格言ですが、具体的な方法は示してくれていません。

誰もが買いと思ったときに、買い手がいなくなる

株式市場には絶えずマーケット参加者たちの思惑が働いています。今後の経済の先行きだとか、為替だったり政治だったり。常に何らかの不安材料や、明るい景気見通しなどの投資家心理が付きまとっています。

例えば大きな金融不安の観測が広まったとします。そのときマーケットは潮が引いたように資金が引き上げられていきます。先行きに不安があるので、リスクの高い株式市場に資金を置いておくわけにはいかないと、大多数の人間が考え、そして売りに出すのです。

買い手が少なくなり、値段は急落。一体どこまで下がり続けるのか。信用取引の投売りが始まり、辛抱強い投資家もあきらめて手放すかもしれません。株式市場に何度となく繰り広げられる光景ですね。

金融不安の全貌が見え始め、不安も少しずつ和らいできます。機敏な投機家たちが再び買い始め、引きずられるように少しずつ株価も上昇し始めます。機関投資家も買い始めます。金融不安が後退すると、株式市場はリスクがなくなったと思われ、再び大勢の投資家が舞い戻ってきます。

そして臆病で慎重な素人まで、安心して買える状況になった時、株式市場には全員が参加していることになります。つまりこの時点で資金が全て注ぎ込まれ、新たな買い手が存在しなくなるのです。

新たな買い手がいなくなるという状態は、それ以上株価が上がるのは難しく、何らかの不安材料が出て少しでも資金が逃げたのなら、下落するしかないという状況であるのです。

逆張り投資家が動くとき

逆張り投資家が動くのは、多くの投資家が売りに出して株価が急落しているときではありません。落ちていくナイフを掴むのではなく、多くの人が見限って注目をなくしたマーケットです。

売り方と買い方が交錯して出来高が膨らむような相場ではなく、人に話せば笑われるようなマーケットに参入するのです。それは株式市場に限らず、コーヒーや金の先物取引などにも応用が利くのです。「カウンターゲーム」の中ではそういった商品相場の話もたくさん出てきます。

そして注目が集まった時に手仕舞いをする。つまり逆張り投資法とは人が集まっていないときに買い、集まりだしたら売るというスタンスなのです。決して人が売る時に買う訳ではないことを覚えておきましょう。ピーターリンチも言っている「落ちるナイフがほしいときは床に突き刺さってから拾い上げるべき」という言葉がぴったりと当てはまります。

余談ですが、順張り投資は人が集まってくるのを見て買い、さらに後から集まってきた、より高値で買う愚かな人に売りつける手法です。行列ができている店に並んで、さらに後ろに人が並ぶのを眺めて利益を得るのです。

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