株式益回りとは

株式益回りとは、一株利益÷株価で求められる株式投資としての収益利回りのことです。全てを語りつくすには本が一冊書けるほどの奥が深いものです。

債券の利回りと比較

一株利益(EPS)が100円として、株価は1000円とします。計算式は次のとおりになります。

100(EPS)÷1000(株価)=10%(株式益回り)

この株を1000円で買うということは、毎年の利益が100円もらえるということで、その利回りが10%になるということですね。EPSは理論上ほぼ株主のものになるので、長い目で見ると株式投資の収益は、この株式益回りに近づいていきます。

さらにこれは長期金利と比較するのに使えます。

株式益回り-長期金利=イールドスプレッド

イールドスプレッドは平均3~4%になります。債券と株式ではリスクが違います。利回りが同じならリスクのある株式に投資家は集まらないので、イールドスプレッドという利回りの差(リスクプレミアム)ができるのです。大多数の投資家は株式投資のリスクプレミアムが3~4%と考えているわけですね。

過熱感を知ることができる

長期金利の動き以上に株価は変動します。株価が上昇することにより、株式益回りは低下します。すると相対的に見るとリスクの低い長期国債の魅力が増すことになります。リターンが同じならリスクが低いほうに集まるのは自然な流れですから。

すると株式市場からお金が逃げて、マーケットの過熱感がおさまるのです。行き過ぎた相場はこういう理由でも崩れていくのですね。同じことが利上げでも起こります。わずかな利上げが、なぜあれほど株式市場にインパクトを与えるかが分かったと思います。

株式益回りとPER

実は株式益回りとPERは表裏一体です。株価が1000円でEPSが100円ならPERは10倍。つまり1÷PER(逆数)でも株式益回りは計算できます。

つまりPERの話は全て株式益回りの話に置き換えることができ、逆もまたしかりなわけです。冒頭の株式益回りで一冊の本が書けるというのは、ピーターリンチがPERで一冊の本が書けるといった言葉を借りたものでした。

ROEとの違い

株主資本利益率であるROEと、株式益回りは何が違うのでしょうか。どちらも株主の投資資金が収益となる点では似通っています。

ROEは株主資本に対する利益率。対して株式益回りは株価に対する利益率です。ROEは一株株主資本(BPS)に対する一株利益(EPS)の割合であるので、株価がいくらであろうと数字に変化はありません。ですのでROEだけを見ても割安かどうかは分からないんですね。ROEでわかるのは株主資本を効率的に使って収益を上げているかということです。

一方株式益回りは株主資本がいくらであろうとかまいません。経営が効率的かどうかには関係なく、自分が買った株価に対する利回りなのです。

面白い例外がありまして、株価がBPSと等しいとき、つまりPBRが1倍で株を購入した時のみ、株式益回りとROEも等しくなります。投下資本に対する利益率が、PBR1倍ならともに同じになるのです。

BPSが1000円、EPSが100円とします。

  • ROE=100(EPS)÷1000(BPS)=10%
  • 株価2000円の時:株式益回り=100(EPS)÷2000(株価)=5%
  • 株価1000円の時:株式益回り=100(EPS)÷1000(株価)=10%

PERとPBRとROE

上記の3つは互いに深いつながりがあることが分かります。先ほどPBRが1倍の時、株式益回りとROEが等しくなるといいましたが、それは言い換えればPERがROEの逆数になるということです。次のような式が成り立ちます。

PBR(1倍)=PER(10倍)×ROE(10%)

これは何もPBRが1倍に限った話ではありません。

PBR(2倍)=PER(10倍)×ROE(20%)

このように、これらの3つの数字は互いに影響しあっているのです。よく「PBRが低い銘柄はROEも低い」という話がありますが、これはひとえにそうだと言えません。

PBRが低くても、PERが低ければROEは高くなります。しかしこの考え方はおかしいです。PBRに引きずられてROEが下がることはありません。株価で動くPBRと違い、ROEは企業活動なのですから。ROEは株価が影響しませんから、ROEを基準として考えなくてはなりません。

  1. ROEが低くてPBRも低ければ、PERは普通の適正値になります
  2. ROEが高くてPBRが低ければ、PERも低くなり割安株になります
  3. ROEが低くてPBRが高ければ、PERも高くなり割高株になります
  4. ROEが高くてPBRが高ければ、PERは普通の適正値になります

PBRが低いとPERも低くなるので(株価が下がるので当然)、ROEが高いと相当なバリュー株になってしまいます。そのためにROEが高いとPBRが低くなりにくいというのが正解なんですね。しかしマーケットでは時折その状態になります。

逆にPERが適正値になろうとすると、ROEが低いとPBRも低くなってしまうのです。結局のところ唯一わかるのは、株価が上がるとPBRとPERも上がるという至極当たり前のことだけです。

計算が合わない

さて、それでは自分の持ち株はどうなのかと、掛け算してみたところ計算が合わなくなる人が多数出現しそうな予感です。

PBR=PER×ROEにならない人ですね。

これは予想数字と実数字が混じっているからそうなるのです。PERは今期の予想PERが表示されているところが多いですし、ROEは前期の数字が表示されているところが多いからです。両方とも同時期の数字を使って計算しなおしてみてください。

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[...] 利が上昇すると、株式にはより多くのリターンを求めるために、その支払う対価は低くしなくてはなりません。よって金利の上昇は株価の下落につながります。(参照→株式益回りとは) [...]

[...] 株式益回りになりますね。 [...]

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