カウンターゲーム完結編、売買ルール
カウンターゲームは基本的に同じ話を、何度も繰り返しながら色々な事例を持ち出して解説してある本です。それらの話はいずれも有意義なのですが、売買ルールを知りたいだけという人は15章を立ち読みするといいです。
それすらも面倒だという人は続きを見てください。
買いのルール出発点:半値下げ買いルール
過去52週の高値から少なくとも50%株価が下げたものしか買っていけません。これは逆張り投資の最大の掟の様なものです。購入時にリバウンドして50%以上になっていたらそれも見送ってください。
しかしこれは逆張り投資の買いシグナルではなく、買う可能性のあるリストに入っただけのことです。50%の下げのないものは分析することすらしないのです。50%の下げがあった場合は、次のステップへ進みます。
指標で確認する
1.内部者(インサイダー)や著名な外部投資家による大規模な買い
内部者による自社株買いが12万ドル以上になっている場合、もしくはウォーレン・バフェットやマイケル・プライスのようによく知られた著名な外部投資家の買いがある場合は買っていいことになっています。既存大株主の買い増しも適合することになっています。
日本株の場合はちょっとアレンジしないといけませんね。大量保有報告書を活用した自社株買いチェックをすることになります。12万ドルという数字も何らかのかたちでルールを決めておきましょう。内部者による買いがないときは、ファンダメンタルズ指標による分析になります。
2.次に掲げる4つのファンダメンタルズ分析指標のうち、2つに適合しなければならない
- 12倍より小さいPER(株価収益率)
- 10倍以下の株価フリーキャッシュフロー倍率
- 1.0倍以下のPBR(株価純資産倍率)
- 1.0倍以下のPSR(株価売上高倍率)
3つ、4つに適合する企業は綿密に調べる必要があります。「効率的な市場による評価」が著しく低いということは、何か本質的な問題が潜んでいる可能性が高いからです。
50%値下りしている銘柄が、1か2に該当したら購入するかどうか決めます。
その他の小さなルール
- 購入銘柄は、少なくとも株価が5ドル以上を付けている必要がある
- 高い株価の株式を少ない株数購入するほうが、低い株価の株式を多く購入するより好ましい
- 時価総額が1億5000万ドルより大きい企業を探す
- 問題を抱えた企業の経営陣の交代をプラス材料として考える
- 企業のブランド・ネーム、サイズ、マーケット・シェアを独占している製品のような定性的要因を無視すべきではない
- 一度の出来事に注意する
日本の株式には当てはまらないルールがいくつか出てきています。米国株は一株が100ドルを超えそうになると分割して調整します。しかしその後暴落すると、株価が1ドルをきって上場基準に抵触する恐れが出てきます。こういったペニーストック(penny stock)は避けるように言っているのですね。
一度の出来事に注意するとは、マーケットは直近の出来事に大きく反応するということです。目先の悪いニュースに注意しましょう。
売却ルール
株式投資で一番難しいのはなんと言っても売りです。極論を言うなら、どんな株をいつ買ったとしても、売りが完璧なら利益を上げられる、もしくは損を出す前に売却できるからです。
その難しい売りを、感情を入り込ませずに機械的ルールにのっとって行うのは、次の二つの理由によります。
- 一度利益が生じると、情緒(欲)が冷静な判断力を狂わせてしまう。機械的に売却するルールは、この危険性が生じる可能性を少なくする。
- 機械的に売却する技術がなければ、全ての株価変動を分析するために、多くの時間が必要となる。逆張り投資家は、新しい投資チャンスを見つけるために時間を使ったほうがよい。古いことに、あまりこだわるべきではない。
25%下げた水準に売りの逆指値を設定
銘柄購入後、すぐに25%下落した価格で逆指値の売り注文を出す。
25%を下回れば有無を言わさず自動的に損切りが行われ、次の投資チャンスに向かうことができます。
50%の利益、または3年で売却する
50%上昇すると、その後の上昇率は市場平均を下回るという統計が出ています。50%の値上がりがあれば大成功と言えますし、次の投資チャンスに向かうための資金回収になります。
逆張り投資が開花するのは2~3年後です。それまでの期間はじっと待つ必要がありますが、その期間で成功しなかったものは処分するようにしましょう。分析が外れていたのかもしれません。
50%ルールの例外
保有した株式が上方修正や景気の波などで魅力的になった場合、50%の上昇後も引き続き保有することができます。しかしこの例外は確実なものに限ります。銘柄に惚れるという意味ではなく、明らかな好材料が購入後に出て株価の上昇が確実に見込めるものです。
この場合は高値の利益分の70%に逆指値の売り注文を出しておかなくてはなりません。100円の株が180円になった場合、156円で強制的に利確するのです。利益の確保が一番の重要事項です。
リスク分散ルール
売りの逆指値もリスクを減らすためのものでありますが、それだけでは十分ではありません。集中投資している場合、25%下げでの損切りは致命的なものになります。また感情が多く入り込み、損切りにしろ利食いにしろ機械的な判断が下せない可能性もあります。
株式投資を行う以上、リスクコントロールは最重要事項なのですから、常に注意をし続けるべきです。
5%購入ルール
同一銘柄がポートフォリオの5%を超えてはいけません。できるなら3%が望ましいです。これは少なくとも20銘柄を持つことを意味します。
5%ルールと25%損切りルールにより、個別銘柄の損失は1.25%に抑えることができます。
20%産業ルール
同じテーマや同一産業に投資するときは20%を超えてはなりません。同一セクターは関連した動きになりやすいので、リスク低減効果があまり望めないからです。
これは分散投資によるリスクヘッジの効果の話です。
まとめ
このようにカウンターゲームの逆張り投資は、統計を研究して徹底的にリスクを減らし、感情を排除し機械的投資にリターンを望むというスタイルです。
これはタイミングを計る方法であり、バリュー投資と組み合わせることにより、よりいっそうの収益が期待できそうです。いたずらにマーケットに闘いを挑むのではなく、ナイフの落ち具合を観察して拾う事ができるようになります。
コメント & トラックバック