含み益、含み損とは。投資家による4つの考え方
含み損益とは購入金額から時価ベースで見たときの、いまだに実現していない損益のことです。しかしここではそういう話ではなく、株主、いえ投資家にとっての含み益、含み損のあつかいについて話したいと思います。
4つにわかれる考え方
投資家によって含み損益の考え方は、以下のように4つに区分することができると思います。
- 売買を伴って決済しなければ投資家に損益はない
- 含み益や含み損は実現していなくとも投資家の損益である
- 含み益は計算しないが、含み損はマイナス計上する。俺は自分に厳しいんだよ!
- 含み益があると金持ちになった気がするが、含み損は考えないことにしている(:_;)
順番に検証していきたいと思います。
売買を伴って決済しなければ投資家に損益はない
このように考える一つの大きな根拠は税金にあります。含み益がいくら増えても税金はかかりませんし、実現益がある同じ年に含み損をかかえていても損益通算することはできません。ドライに税制上で考えると、含み益や含み損に損益はないというのが、どこの国でも共通した認識です。
ほかには株式投資の場合、株を買わずに企業を買っているという長期投資の信念があると、含み益にも含み損にも左右されなくなります。所有しているのは企業であって、価格はいわばミスターマーケットの機嫌を数値化したものに過ぎません。
株価の変動に着目して値幅取りをするつもりはありません。仮に株式を購入した翌日に市場が閉鎖され、その5年間取引が行われない事態になっても、私はいっこうにかまいません
バフェットの言葉ですが、バークシャーは実際に非上場の株式も保有しています。含み損益がどうとか価格がいくらだとか、どのみち売るつもりはなければ問題はないということですね。
自分が乗っている自動車が中古車屋で10万円で売られていても、故障せずに調子よく走ってくれていれば価格がいくらでも関係ない事や、先祖から受け継いでいる住宅家屋がものすごい評価になっていても当分関係ないのと同じですね。(後者は税金が違ってきますけど…)
どうやら投資家としては、もともとすぐに売るつもりがないのなら、含み損益は投資家の損益ではないというのがしっくり当てはまりそうです。
含み益や含み損は実現していなくとも投資家の損益である
もっとも多くの人の考え方だと思います。実際に換金しようとしたら、否応なしにその値段になるのですから。証拠金取引(信用取引等)の代用有価証券もこの考え方に基づいています。現物株価の上下で証拠金としての価値も変わります。
また企業の会計処理でも、保有する上場企業株が50%以上の下落をして合理的な反証がない場合は、減損処理により損益計算書に損失を計上しなくてはなりません。最初の含み損益は資産の損益に含まないって考え方が突然変異を起こすようなもので、ある程度は容認するけど、著しい価格の下落は損失になるんだよって事です。
以上により価格に価値を見いだす場合がこの考え方ですね
持ち株がストップ高になれば何度もチャートの大陽線を確認して、ランチにいつもは頼まないコーヒーをつけたり、原因不明で相場が崩れて、持ち株が前日比マイナス十数%になると夜も寝られなくなる人がこのタイプです。けっしてサイフの中身が増減したわけではないのに!
株の売買益を目指している人(株式トレーダー)にとっては、株というのは価格が全てですから必ずこの考え方になります。先物などのゼロサムの人もまたしかりです。
この考え方の最大の利点は、損切りをするのに躊躇がいらないことです。実際に損失になっていると考えているので、どこで売っても同じだからです。
含み益は計算しないが、含み損はマイナス計上する
副題では自分に厳しいとなっていて、あまり見たことのない考え方のように思えますが、実は信用取引の建て玉がこの考え方に基づいています。
信用取引に2つの銘柄の買い建て玉があったとして、ひとつは100万円の含み益、もうひとつは100万円の含み損があったとします。これはマイナス100万円の評価になってしまうんですね。証拠金維持率を切るような場合、追加証拠金を求められてしまいます。
なんともはや。一番厳しい管理方法ですね。
含み益があると金持ちになった気がするが、含み損は考えないことにしている
精神状態を保つ意味でこう考えるのならかまわないと思います。株式投資では精神状態を保つための自己管理は必要なことです。損失が出ても本業に悪影響を与えず、値上がりの気持ちよさだけを感じられるというメリットがあります。しかし投資家としては何かが欠けているとしか言いようがありません。
含み益だけ換金していき、塩漬けの含み損銘柄をたくさん持つようになるのは最悪です。税金ばかり払う羽目になってしまいます。
まとめ
いかがでしょうか。以上は私の考え方であり、どれが正しいというものでもありません。人それぞれ投資に対する考え方が違い、取り組む姿勢や方法、運用スタイルに差があるように考え方が違ってて当然です。
一概に含み損益も実現損益と同じっていう多数の考え方に、税制や証券の扱いなどの例を出し異議を唱えたかったのであります。
[...] このように考えると、含み益、含み損とは。投資家による4つの考え方で紹介した、含み益や含み損は実現していなくとも投資家の損益であるという考え方も怪しくなります。 [...]
Posted at 2008.06.15 9:22 PM by 上昇相場で多くの人が感じる大いなる勘違い | かねなし父さんの挑戦
[...] 含み益、含み損とは。投資家による4つの考え方というページに私なりの考え方を述べていますが、グレアムもやはり日々の価格変動により自分のカネが増減するものではないと考えてい [...]
Posted at 2008.10.20 11:52 AM by ミスターマーケットとは | かねなし父さんの挑戦