あなたはROAの本当の定義を知らない

ROAとは純利益/総資産ではありません。あまりに多くの人が間違っているのですが…。

ROAとは

ROAとはで調べてみると、「純利益/総資産」であるという説明が多くなされますが、これは厳密なROAの定義ではありません。

厳密なROAの定義。ROA=事業資本/総資本=(経常利益+支払利息)/総資本

正確なROAの定義は上のようになります。これは総資産という名の、会社の仕組みが生み出す純粋な利益です。

純粋な利益と言っても純利益というわけではありません。純利益とは特別損益を加算したものでありますから、会社の仕組みが生み出した純粋な利益ではありません。

経常利益こそ会社の仕組みが生み出したものです。しかし経常利益には、会社の直接の儲ける力とは異なる支払利息も織り込まれているため、それを調整しなくてはなりません。その調整したものが事業利益になるのです。

しかしこの事業利益は損益計算書に載っていないため、入手するのに手間がかかります。そのため簡便的な経常利益、営業利益、あるいは純利益を代用することが多いのです。

参照外部リンク→財務分析(2)代表的な収益性指標であるROAとROEをご覧になることをおすすめします。

使い場所を間違えない

とは言っても、あまりに多くの人が違った意味で使っているため、その中(特にネット)ではその使い方をしたほうが、話はスムーズに進みます。話の流れで使用しているのが純利益か経常利益なのか事業利益なのかは、よく見ればわかると思います。

ROE、ROAで盛り上がってるところへ、いちいち話の腰を折って目くじらを立てないことですね。「ROAに純利益使うなよ…」とかって言わないことです。

「彼は叱られて憮然とした」という文章の「彼」が怒っていても、「憮然の使い方が間違ってるよ…」とかって言わないのと同じです。

正確な意味を問われるとき

正確な意味を問われる問題が出たときが困りますね。相手は果たして真実を知っているのだろうか、と。

上司に「きみー、ROAってわかるだろ、答えてみなさい。」って言われたときになんて答えるか。ま、この場合だと「総資産利益率です。一般的には純利益や経常利益を総資産で除しますが、本来は事業利益を総資産で除したものです」と、答えればよろしいですね。

それでは次の場合のように紙に書く場合はどうでしょうか。言葉を自由に選ぶことは出来ません。ちなみにこれは2007年9月の1級ファイナンシャルプランニング技能検定の学科試験です。

《問54》 一般的な株式の投資指標について,Bさんが説明した次の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句を,下記の語句群のなかから選び,解答用紙に記入しなさい。

基本的な株式の投資指標である「EPS」,「PER」,「BPS」,「PBR」は,1株当たりの当期純利益や純資産の状況,あるいは,それらと株価との関係を示した指標といえる。また,代表的な投資指標の1つである「ROE」は,「PBR」に( ① )を乗じて算出することもできる。この「ROE」とは別の資本利益率に関する指標として「ROA」があり,これ
は一般に,( ② )を総資産で除して算出することができる。

さらに,財務的な安全性を測る指標には,( ② )を金融費用で除して算出する「( ③ )・カバレッジ・レシオ」があり,実務上において重要視されている。なお,決算短信等のディスクローズ資料に掲載された投資指標を参照する場合,指標の算出方法の相違や変更等に伴う比較可能性について注意を要することになる。

〈語句群〉配当性向 配当利回り 株式益回り 当期純利益 事業利益 経常利益 インタレスト スタンダード インダストリアル

②の答えは、当期純利益でも経常利益でもなく、事業利益が正解です。このページを見る前のあなたなら、きっと間違えてたのではないでしょうか。

なぜなら、偉そうに話しているこの私が、まさにそうだったからです。

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