高ROE低ROAってそんなに悪いのか
ROEは自己資本比率が低ければ高くなる傾向があります。こんな時はROAをみましょう。ROEが高くてもROAが低ければ投資は見送るべきです。
上記はよく見かける言葉ですね。ROEとROAの関係をおぼえると同時に、習っていることかと思います。しかし自己資本比率が低い企業の、高ROE低ROAってそんなに悪いことなのでしょうか。
自己資本比率が低いということ
あなたが100万円を元手に事業を始めるとしましょう。その時、そのまま100万円だけで事業を始めるのと、900万円借りて合計1000万円で始める二つの権利があったなら、あなたはどちらを選びますか?
これだけですと、どちらが正しいか選ぶことは出来ません。金は多ければ多いほうが良いという考え方もありますし、破産した場合に元手だけならまだしも、借金があると再起不能になるから借りないほうが良いという意見もあるでしょう。
それではもし、破産しても返さなくていいとしたら?
それだったら多くの人が迷わず借りるでしょう。元手だけの場合より10倍の規模で企業活動できますし、失敗して失う金額は同じだけなのですから。
ローリスクの信用取引
そんな都合の良い話は転がっていないわけですが、それが株式投資となると話は違ってきます。株式投資を行った結果、つまり株主の責任は出資額までという有限責任の原則があります。
それは至極当然の話です。100万円出して買った銘柄が破産しても、債権者から請求されることもなく失う金額は初めの100万円だけです。例えそれが自己資本比率10%の借金漬けの企業だったとしても。
そのくせ利益を出したときは、株主の権利を振りかざして分け前を請求するのです。こう考えると、自己資本比率が低い会社への投資は、利益だけにレバレッジがかかる信用取引みたいなものです。投資家にとっては大変おいしい話です。
自己資本比率も高ければよいってものじゃないんです。
しかしもちろん、経営戦略の上での借り入れの多さによる、低い自己資本比率なら良いのですが、長い間の経営の失敗による財務の弱体化は問題外です。個別に見ていくしかないのです。
あたりを見渡せば自己資本比率が低い会社には問題がある場合も多いのですが、自己資本比率が低い会社は全てダメというわけではないんですね。そこを間違えないようにしましょう。
ROEさえ高ければ株主は報われる
それで問題は高ROE、低ROAの企業です。話を簡単にするために、事業利益と税引き利益が同じだったと仮定しましょう。
総資産が1,000万円でそのうち自己資本が100万円、税引き利益が20万円だったとします。これは自己資本比率が10%でROEが20%、ROAは2%ということになります。
これはいわゆる避けるべき企業として描かれるモデル企業です。高ROEのスクリーニングで引っかかっても、自己資本比率が低く、ROAも低いので敬遠しましょうということになります。
それでは総資産が10,000万円、自己資本100万円、税引き利益が200万円だったとすると、投資は見送ったほうがいいのでしょうか?
自己資本比率は1%しかありません。吹けば飛んでしまうような体力です。ROAも2%と、決して高くありません。
しかしROEは200%です。この企業に投資した株主は1年間で元手を取り返し、さらに倍になる利益を得ています。投資は充分報われたと言えるでしょう。来年倒産したところで知ったことではありません。すでに利益は得ているのですから。
これらの話は極論です。しかし自己資本比率は一概に高ければよいというものではなく、株主にとっての利益の最大化はやっぱりROEの最大化なのです。(株ではなく企業に投資するという原則があります)
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